Archive for the ‘Onwardコンペ’ Category
一年のまとめ

ビデオの撮影風景
この2週間ばかり朝5時に目が覚め,すぐに起きて作業をする様になっている。何ともない緊張感このようにするのであろう。
この2週間ONWARDのコンペで選ばれた人を発表するビデオの制作をしてきた。フィラデルフィアの色々な人にでてもらい、選ばれた人の名前を順々に発表していくというものである。このビデオを通してフィラデルフィアの町を上げて来年行われるONWARDのショーを楽しみにしているという雰囲気が伝わればと2ヶ月位前から準備をしてきた。
今回でこんなビデオを作るのはONWARDの紹介のビデオに続き二回目になるが、撮影の方もだんだん手が込んでくる。大きな違いは音響である。一番最初に作ったビデオは外付けのマイクは使っているが,結局すべてテープに録音をしている音を使った。その結果声とアンビエントの音が一緒になってしまい細かい調整ができなくなってしまう。もちろんその時は他の方法があるとも知らなかったし、機材的にも揃っているという訳ではなかった。
この夏にボランティアとして入って来た人の中にフェデというアルジェンチンから来た子が加わった。インタビューをした時に元々サウンドエンジニアであると言っていたが実際にどういう仕事なのか分かっていなかった。ただビデオのプロダクションに関わった事があると聞いていたので,今度ビデオを作るから手伝ってくれと話をしていた。このプロジェクトが進んで行くに連れ彼から音のプロダクションについて色々話を聞く機会があった。その話しの結果、今回音と映像を別々に撮る事に決める。元々ビデオ撮影のできるカメラを買おうと思っていた予算を使い、撮影に必要なマイクを一式揃える。今回使った物は無線マイクとオーディオインターフェースにもなるフィールドレコーダー。
参加してもらおうと思った人はフィラデルフィアの写真、アート関係の人達とごく一般のフィラデルフィアの人を混ぜれないかと前々からコンタクトをし始めていた。ギャラリーをバックにGallery 339のMartin、美術館の前では写真のキュレーターのPeterを撮影する。高速のバックにしているのは,この頃フィラデルフィアの内外でも脚光を浴びているZoe Strauss。再来年には美術館でソロショーが予定されている。メリゴーランドに乗っているのは,フィラデルフィアのアートシーンについてのブログを書いているLibbyとRoberta。その他には僕の友達などを含めた。
後はバックになる風景。あまりにありきたりのフィラデルフィアを見せるのではなく,僕達が知っているフィラデルフィアを撮影したかった。他にもいろんな所にコンタクトをしたが最終的には13箇所にしぼる。スタジオの近くにあるピザ屋からシルクスクリーンのスタジオ、町中にある壁画、そして美術館やBenjamin Franklin Bridgeの前まで,いろいろなフィラデルフィアの風景を撮影した。
バックグラウンドの音楽には前々からどんどんテンポが上がっていく物を探していた。最終的に決めたのは土曜日の夜に審査が終わった後に録音したLarryのハーモニカ。ラリーはワークショップを一日中しその後審査の続きを夜の11時位までしていた。その後にビデオに使う為にハーモニカを録音させてくれないかと聞くと、疲れているのにも関わらずもちろんと録音させてくれる。実際に録音できた部分が短かったのだが、フェデに聞かせると「ループできるから問題ない」と早速曲を2分位まで延ばす作業をしてくれる。最後のクレジット流れる部分もラリーのコメントをいれて混ぜうまく仕上がった。
発表する前の晩まで編集をし続けていたビデオ。出来上がり沢山の人が楽しんでいてくれたようで何よりである。
ONWARD ’11
この2ヶ月ほどONWARDの準備をしてきた。
毎年行っているこのコンペは新しい新人の写真家を発掘しようというのが目的で、3年前から始めた。最初の年は、Andrea Modicaが審査員になってくれた。最初の年でもあるのに300人を少し下回る参加者が集まった。2年目はフィラデルフィア美術館のキュレーターのPeter Barberie、そして去年の招いたDebbie Fleming Cafferyと僕達がこの人なら面白い選択をしてくれるのではと思った人を毎年招いている。
そして今年はLarry Finkと決まった。彼はモノクロでドキュメンタリータッチな独特の人間模様を表現する事でとても有名である。人間がいかに「社会的な動物」であるかという事をいたいほど知らされる様な写真をとる。まだ実際の面識はなく、メールでのやり取りが何度かあっただけだが、なかなか頼もしい人である。12月にコンペの審査の為にスタジオに招くと同時にスタジオでのワークショップやレクチャーも企画されている。毎年ではあるが、この秋はイベントだらけである。
今年はサイトなどのマーケティングを担当しているGrisha以外にも,この一年位ボランティアをしてくれたJacobもONWARDのコーディネーターとして加わる。その他にグラフィックデザインを担当する、Brittanyが加わりスタッフを充実させる。
そして今年は日本からの参加者を募ろうとしていて、サイトや応募規定などを日本語で準備もしている。フィラデルフィアに来た時から知っているカオリさんに手伝ってもらい、FacebookやTwitterなどでも日本語で情報を流す予定である。日本滞在中に「写真のオリンピックみたいに国際的なプラットフォームがあればいいですね」とTokyo Photoの会場で一緒にいた人と意見を交わした。そんな事を考えながら英語圏から出て行く準備を確実に進める。
一昨日はボランティアのCoryと夜中までプロモーションのビデオを編集する。去年のオープニングでとったインタビューを中心に内容をまとめる。ONWARDが何を目指しているか、どんな可能性があるかみたいな物をいい形で紹介したかった。Jacobの知り合いのバンドにバックグランドの音楽を使わせてもらい、ひたすらインタビューを切り詰めていく。終わった時にはCoryも満足がいく物ができたらしく、照れながら喜んでいた。
今年もどんな作品が応募されるかが楽しみである。
立て続きのイベント

ミーティングに参加するボランティア達
先月の半ば法事の為に一度帰国し、帰ってきてからはイベントが立て続けで、忙しい日が続いた。休む日もなくこのまま今週また日本に帰ることになりそうだ。
日本から帰ってきた次の週にはhome schoolの子供を対象としたピンホールワークショップを行う。一ヶ月位前から手伝い始めたGrishaと一緒に準備をした物で、実際にカメラを作ってもらい、そして撮影するという物である。このようなワークショップは初めてなので実際にどうなるかと思ったが、子供達も参加した親もとても気に入ってくれた。
そしてその次の週にはDebbie Fleming Cafferyを迎えONWARDの審査、レクチャー、そしてワークショップを行う。レクチャーの方はワークショップに参加する人やフィラデルフィアの写真関係の人が集まり、ギャラリーが人で一杯になる。AndreaやPhotoReviewのStephenも来てくれて、なかなかの顔ぶれであった。その後スタッフやFriends of Project Bashoメンバーの人をアパートに誘い、Debbieと夕食パーティー。この様に写真を通して人が集まってくれるのはいつになってもうれしい。
その数日前にDebbieが審査したONWARDは、毎年応募される作品の質が上がっていっているのがよく分かる。今年で3年目、去年と同じ位の参加者が集まった。毎回審査する人によって趣が変わるのが当たり前なのだが、今回の特徴としては全体的に少ない人数だが、選ばれた人は一点だけではなく数点選ばれている人が沢山いる。結果から言うと、「作品」という事を意識しているものが選ばれた。発表は来週、そして2月から始まるショーはとても楽しみである。
そして今週はFundraising Print Sale&Silent Auctionを行う。毎年行っているイベントで寄付されたプリントを売り、その資金で新しいプロジェクトのを立ち上げる物である。一ヶ月以上前から準備していたイベントだったが、イベント立て続けに行われたからか、思う様には人が集まらなかった。それでもプリントを買ってくれる人や、自分のプラチナプリントを買ってくれる人達が少ないながらもいた。このような人達がこのスタジオを支えていると実感させられる。
そしてボランティア達の自主的に活動をし始めたようで、最初のミーティングに顔を出す。Grishaが提案した物で、2週間に一回集まり、自分たちの作品を見せ合ったり、自分たちの知っている知識を分け合う場を設ける予定だ。いつもボランティアの人達にはスタジオを利用して欲しいと思っているが、なかなかそこまで自主的にやろうという動きがなかった為、興味を持って見ている。もちろん僕が教えることができるものもあるし、このような自主的に始まった草の根的な活動がどのように発展していくかがとても楽しみである。
今週は日本に帰り、久保さんとのデジタルネガとプラチナプリントのワークショップ。先月帰国した時に立ち上げたサイトを通して人が集まってきているようで、なによりである。今回の滞在中にはこの日本でのプロジェクトをいかに長く続けていくかという事をある程度の形にする予定。
今は温泉でゆっくりして、写真でも撮りたい。8×10のフィルムはとにかく沢山もって行こうと思っている。

ピンホール・ワークショップに参加した子供達
ONWARD ’10の発表
今年もONWARDコンペの時期がきた。
2年前にギャラリーができて最初に行ったショーであり、毎年かなり力を入れ、うちの活動の一貫として宣伝してきた。そのおかげか、最初の年は280、そして2年目の去年は400の応募者が集まった。もちろん選ぶ人の色でがらりと変わるが、年明けに行うショーは毎年確実にレベルの高い物になってきているし,フィラデルフィアに写真家を目指す人達が集まるイベントになってきている。
今年で3年目になり、今回はDebbie Fleming Cafferyを審査員として呼ぶ。彼女はAndreaのように、アメリカでは実力派の中堅写真家である。主に生まれ育ったルイジアナ州で撮った作品と、最近ではメキシコで撮られた作品が知られている。前から彼女の写真が好きで実際顔を合わせた事がないが、一度彼女のワークショップをとりたいと思っていた。彼女との滞在に合わせて、フィラデルフィアでのレクチャーとワークショップを企画している。
そして今回はFlakphotoがmedia sponsorとして参加する。このサイトを運営しているAndyとはこの頃になって色々やり取りをする様になった。Wisconsin Historical Societyで働いているようで、最初に連絡を取り合った時に昔このWHSで働いていたPaul Vanderbiltのことで盛り上がる(彼はLibrary of CongressでFarm Security Administrationの写真を整理した人として有名である)。今回Debbieが選んだ作品を彼がまた選択をしてFlakPhotoに紹介するという物である。彼は日本とのつながりがあり、今月フィラデルフィアを訪れるテラウチさんが出版しているPhato Photoにも毎月新しい写真家を紹介している。
今回は日本からの応募者が増えて欲しいと思っている。日本から新しい写真を感じさせられる作品が来てくれると面白くなる。こういう形で日本の若手の写真も紹介したいと前々から考えていた。
Facebookのページを作りFanを募る。2日間で200人近いFanができる。締め切りまで一ヶ月ちょっと。どんな作品が送られてくるか楽しみである。
時差ぼけの中、South Jerseyへ
フィラデルフィアに帰ってきてから、時差ぼけを直すためゆっくり仕事に取りかかる。
スタジオ番をしていたAnneに今までの事を報告してもらい、これからの計画を立てる。今回も生徒の集まりがうまくいっているようだ。この冬に招待するDebbie Fleming CafferyのポートレートのワークショップやFrance Scully Ostermanの湿版中級のワークショップなどもすでに定員の半分位の人が集まっている。このままいくと今年の生徒の数が200を超える位になるだろう。
一方ONWARDのコンペの準備をしているErinにスポンサーの集まり状況や、Debbieが行うレクチャー行うに関しての他の団体との連携などの進み具合を聞く。こちらも思ったより進んでいるようで、後はサイトと印刷物の準備ができれば発表できるだろう。日本でデザインを頼んでいるDanielとも連日の様にスカイプで細かい指示を出したり、今回メディアスポンサーになったFlak PhotoのAndyとも細かい調整をしていく。
週末はこの頃写真を撮っているSouth Jerseyのほうに一泊しに行く。来月にここで行うワークショップの下見と、時差ぼけを直しに来た。6月位から毎週の様に通いだした所で、今までかなりの距離を走って、いろいろな所を見て撮影してきた。フィラデルフィアから1時間位と比較的近く、Cape Mayなどの海岸沿いの町のように観光客などが集まらない、とてもゆっくりとし落ち着いた所である。
この辺りはwet landとかmarsh landと呼ばれていて、ようは湿地帯が広がる所として知られている。Delaware湾に面し、反対側はDelaware州になっている。歴史的にこの辺りでは牡蠣や他の貝類などを始めとする漁業などがとても栄えていた所であるそうだ。前回から泊まっているFortescueという小さな町も昔はboard walkがあるような19世紀のから20世紀の半ばまでの避暑地として人を集めていた。今ではそんな面影も残さずにひっそりとしていて、今ではこの辺りからボートをチャーターして釣りに出る人でにぎわうようである。
湿地帯という事でこの辺りはとてつもなく真っ平らで、アメリカの土地の大きさを感じさせられる。行く所を行く所、ほとんど車も通ってなく片一方に広大な農業地が広がり、それを抜けていくと視野一杯に湿地帯が広がる。木なども何もなくとにかく、一見緑の芝が延々と続く風景である。町にいつもいる僕なんかにはとても不思議な風景にしか見えない。毎回同じ様な風景を見ているが、ここまで広がりをもつ風景を見るだけでも、心が落ち着く。
夜、レストランを出た後に星が出ているのに気付く。前回来た時は曇りで全く夜の空などは見ることができなかったが、思えば今日は雲一つない晴天だった。暗闇の中車を30分ほど走らせ、展望台などがある湿地帯の真ん中に来る。辺りは全く真っ暗で、水平線上にフィラデルフィアなどの都市からの灯りがうっすら見える。そして上を見ると満天の星が見える。あまりにも星が見えすぎて、今まで見たとことなかった天の川までが見える。一ヶ月滞在した日本から帰って来て数日で、こんな自然のまっただ中にいるのが不思議に感じられた。
一足DCへ。
Onwardのオープニングには200人以上の人が来てくれた。去年の様に季節外れに暖かい日ではなく、今にでも雪が降りそうなとても寒い日であった。それにも関わらず200人も人を集めることができたのはなかなかのものである。
オープニングが終わり先週から工事作業を始めているがなかなか終りが見えない。今回はレンガの壁を切ってそこにドアを取り付けるという少し大掛かりな作業である。先週は寒波にも襲われ,外での作業はひたすら寒くなかなか作業が進まない。そんな事を思っているとついつい他の作業をしたくなり,この一年位かけて作っているコート掛け兼コンピューターステーションみたいなものを終わらせる為ひたすらKevinと作業をする。
そんな所に先月大阪で会ったThird Gallery Ayaの綾さんからメールが届く。仕事でNYに来る用があるらしくそこから足を伸ばしてDCまで行くというのである。DCではRobert FrankのAmericansのショーがあり,もし良かったら一緒に行かないかと。一瞬、頭の中でinaugurationが行われるDCは相当人が集まっていると思って躊躇したが結局行く事にした。
綾さんがフィラデルフィアに着いたのは列車の遅れのせいで夜10時を過ぎていた。これもその日にObamaがフィラデルフィアの駅から電車に乗って行ったのが理由であった。案の定、次の日からinaugurationの行われる日までは電車のチケットがほとんど完売されていて、僕達もチケットをとることができなかった。そこでアシスタントのJeremyの車を出してもらい3人でDCを訪れる。
DCには2年以上も訪れていない。前回来たときは妹の様なPraeがまだアメリカにいた時で、彼女の住まいだったタイの大使館に泊まったのを覚えている。なにげに近いようで遠いDCである。この様に何かあった時に訪れるのが普通になってきた。あさの10時頃にフィラデルフィアを出て高速で行くと2時間ちょっとでDCに着く。
ロバートフランクのアメリカンズは教えているクラスで毎回見せているのだが,全てのイメージを見せている訳ではなく、そして順番も変えているのである意味新鮮に感じられた。本の構成やその裏の彼のアイデアなどが分かりやすく説明してある。本を出す前までの作品やコンタクトもあり,ロバートフランク好きの人にはとてもいいショーではないかと思う。
帰りは3人で友達のFairlieの家で夕食をごちそうしてもらい,彼女の家に訪れている人達との会話を沢山してきた。ワインと簡単な食事、そしていろんな人種やバックグラウンの違う人達との会話というのはいつもいい組み合わせである。僕たちの分野である写真やアート教育など、ある意味勝手に話をさせてもらってきた。
綾さんは日本からの写真関係の二人目のお客さんである。来月訪れる予定になっている久保さんなども含め、今年はこのように日本からのお客さんが沢山来る予定である。こちらでのネットワークをうまく活用して、personableに迎えたいものだ。
いろいろと準備中
この二ヶ月ほどはイベントが沢山計画されていて一つ一つの準備に時間をかけている。Olgaがイベントコーディネータとして大体の事は進めているが一週間に一日しか来ないので全ての事をまかなえる訳ではない。Olgaが終わらせられなかった事を一つ一つ片付けて行く毎日。
その一方で来年行われるONWARDのコンペの準備をしてきた。このコンペは去年から始めたものでこのギャラリーの最初のショーである。去年の審査員としてAndrea Modicaを選び、最初の年にも関わらず300人近くそして写真の数としては1,200を超える作品が集めることができた。その中から59の写真を選び1月と2月にショーを行い、1月に行われたオープニングには200人もの人が集まった。
今年の審査員としてフィラデルフィア美術館のキュレーターのPeter Barberieを選んだ。Peterとは5−6年前に写真の歴史のセミナーをとった事を通して知り合う。彼がフィラデルフィアに来てから直後にこのようなレクチャーのオファーを受けたのだろう。それから写真のイベントでよく会うようになり、いつもアルビューメンのワークショップを取りたいと言っている。
ところでこのセミナーでは今では写真友達のJimとも知り合い,そしてGallery 339を営んでいるMartinとも顔を合わせることになる。今考えればすごいメンバーであった。さすがフィラデルフィアの写真界はとても狭い。
今年はどんな作品が送られて来るのか楽しみである。締め切りは来月14日である。








