6/4/07

今日は朝から3×4の現像をする。2ヶ月ぐらい前に撮影した物だがずーっとホルダーに入ったままになっていた。今週末にArt for Cash Poorというアーティストが作品を売るイベントに参加する予定だ。出展しようと思っている3×4のプラチナプリントを明日にでもプリントする予定なのでもう少し3×4のネガを作っておく。一晩寝かせておかないと行けないFerric Oxalateなども少し混ぜて明日の準備をする。今夜は雨が降る予定なので明日は湿度も高くプリントができるだろう。
この土日はラージフォーマットワークショップを行った。この二日で大判のよさを分かってもらおうというワークショップである。小さいのは4×5から大きい物は7×17や11×14などいろいろなカメラを使ってもらう。この二日間で撮影から現像までを全て行うのは結構時間的にきつい物があるがなんとかラージフォーマットの基本みたいな物が体験でるようになっている。参加者は女性が二人と少ないが僕が教えるワークショップなので行う。
一日目はカメラの特徴などを説明してから11×14のスタジオカメラでのポートレートを行う。簡単に撮影の手順などを見せながら参加者の撮影をする。それからフィルムの装填を実践させてアオリのことに少し触れる。そしてお昼の後にスタジオからでて撮影。別にどこへ行く訳でもなく近所の風景を撮影するのである。さすがにこんなカメラで撮影しているのは珍しく通りがかりの人達は必ず声をかけて行くのである。「僕の写真を撮ってくれ」というジョークから「どれくらい古いカメラなの?」と興味津々な人までいろいろだ。装填したフィルムを大体消費した頃に一日目が終わる。
二日目は残りのフィルムを使い切るために撮影を続ける。一日目は小さなフォーマットを使ったので8×10と7×17を使う。さすがにカメラと三脚が重くなるので女性の参加者にはカメラの移動がちょっと少し大変だ。でも何事もなく装填したフィルムを全て撮影することができた。お昼をはさんで残りの時間で撮影したフィルムを全て現像して簡単にバンダイクでプリントという予定。僕はカラー現像に使っていたドラムに入れて現像するのだが二人ともいろいろなサイズのドラムを5つ位現像した。さすがに現像にはちょっと時間かかりバンダイクは時間がないということでシルバーでベタ焼きを作りワークショップをくくった。
なにはともあれこのようなワークショップでは必要以上に技術的なことで難しくせず体験してもらって楽しさを理解してもらう事が大切であるように思う。
5/31/07

昨日Teresaに電話をかけた。先週に彼女から電話があったのだが僕はクラスの真っ最中で電話にでることができなかった。
TeresaはNYでいろんな写真家のプリントをしているプリンターだ。Robart Capa, Cornel Capaなどのネガを主にプリントしていて他にもBruce Davidsonなどマグナム系の写真家達の作品をプリントしている。ちょうど5年位前に彼女のプリントのワークショップをNYのICPで取りそのきっかけで彼女のアシスタントに一年半位いろいろ教わった。プリンターとしての仕事がどういう物かということを学んだ。
彼女がいきなりArizonaに引越しをすると伝えてきた。彼女はBrooklynのアパートを拠点として自分の暗室を作り片親で高校生の男の子を育ててきた。それがまたなぜArizonaまで行くのかと聞いてみると今回アパートの契約が更新できないので徐々にArizonaのおばさんの所に引っ越そうと思っていたそうだ。だが先週おばさんが腰の骨を折って看病する人が必要になって急遽引越しすることになったようだ。
彼女は今月僕のスタジオでシルバープリントのワークショップを行う予定であったがそれもキャンセルしなければならない。早速ウェッブで告知をしなければならない。
この一年半一度彼女をフィラデルフィアに呼んでワークショップを行おうとしたがこの夢はかなわないことになりそうだ。
5/28/07
月曜日はMemorial Dayで週末からの連休なので土曜日と日曜日にかけてプリントを一日中する。朝からいろいろ薬品の用意をしてネガを7-8枚選び出しマラソンプリント。二日で7×17のプラチナプリントを40枚以上プリントした。特に二日目などは大体露光時間やネガのコントラストが分かってきたので一日で30枚近くプリントした。何枚か気に入ったプリントがでてきた。
この前Yale Galleryで見た紙の作品を見て始めたプロジェクトの試しもプリントしてみた。普通の紙と半透明のベルム紙にプリントをしてみた。やはりベルムでのプリントは白の諧調がとてもきれいにでる。ハイライトのローカルコントラストが上がるといった感じである。これにガムオーバーでシャドー部に色をのせることができないのかと考える。ちょっと試してみよう。
この前のConservation Centerでのワークショップはある程度の収穫があった。Barbara Lemmenを始めいろんな人に会えたということとConservationをやっている人たちが何を考えているのかということが少し分かった様な気がする。やはりconservationする人は実際に作品を作る人と違うので写真のプロセスに対しての理解の角度が違う。
彼女達は毎日写真という「モノ」を扱っているのだが実際に写真を作っている訳ではないのでどうしても知識と体験していることにギャップができてしまう。そのギャップというのが問題でないかと僕はつくづく思っている。美術館のcuratorだって写真を実際にやらずに写真のことを読んだりリサーチしたりして写真のことを紹介したりしたりいろんな講義をしたりする訳である。
僕はこのように写真に関わる職業がどんどん細分化していくと同時に写真を実際にやっている人たちとやらずに写真にたずさっている人達の考えや理解というのがどんどん離れて行く様な気がしてならない。これは19世紀の初めにフランスで発明されたAuto Chromeという一番最初のカラーの技法が現在薬品から作業過程などの情報が山ほどあるにもかかわらず再現できないということと関わりがある様な気がする。
5/22/07

この4日間でMargeの床暖房の準備をしてきた。最初に断熱材で床をカバーしその上にコンクリートを強化する為のワイヤーを張りつめる。それだけで二日か かった。三日目の夕方にもう一人の友達を連れてきて三人掛かりで一本300フィートもあるチューブを7本きっちりと張り巡らせる。三日間の作業で大体の所までの過程が終わる。後は細かな所をMargeが直したり変えたりしなければならない。彼女は神経質なのでうまくめげずに最後まで作業がうまく行くことを祈 る。
四日目の午後一路Philadelphiaに向かう。
明日は朝からConcervation Center for Art and Historic Artifactsでの写真の保存と歴史的なプリン ト方法に関するワークショップを受けに行く。6時間で何が学べるのかと半信半疑だがいろいろな人に会えるだろうと思いとにかく受講してきてみる。今回の講師で写真保存を担当しているBarbara Lemmenは去年から一度お昼にでも行こうとお互いに連絡しながらいたが今回始めて会うことになる。
木曜日から新しい学期のクラスが始まる。初心者のクラスで5人もしっかりと人が集まっている。これから3ヶ月間で何を教えることができるのだろう?僕はこのクラ スを5年間教え続けているが毎学期こんなことを考える。何も悲観的な訳ではないがどんなことをしたら人が写真に興味を持ってくれるのだろうかという問いは 今でも持っている。
留守番にNYのラボから8×10と4×5のカラーネガが出来上がったという連絡が入っていた。もう少し8×10のカラーを撮ろう。この前現像したネガも土曜日にプラチナプリントしてみたいと思う。こんな気分は久しぶりの様な気がする。
5/19/07
今日は朝からマサチューセッツ州まで移動をする。友達で僕のスタジオ改築を手伝ってくれた大工さんでもあるMargeの家の工事を手伝う為に四日間ほどPhiladelphiaを離れる。この2週間ほど結構忙しかったので息抜きにもなるかと思い旅立つ。
朝一番の電車でPhiladelphiaからHartfordまで向かう。
New Heavenで乗り継ぎの時間が1時間半位あったのでYale大学の周りにある美術館を巡る。一番最初に寄ったのがYale Art Gallery。そこでアジアの美術とデッサンの展示を見る。アジア作品の中で眼を引いたのがFu Baoshiという中国の現代画家。彼は昔からの墨絵を使い大胆で深い黒を使って少し抽象的な作品を作っていた。どうやら30年代に日本に留学していたそうだ。もう少し調べたい作家である。
それからデッサンの展示を見て回る。デッサンは結構好きな媒体の一つである。見るたびに抽象と描写の間を行き来きできることをいるも楽しんでいる。
いくつか気に入った作品があったのだが一番よかったのは紙を折って表面に凹凸を作り光の明暗でデザインをしている作品がとても気に入った。全体的に真っ白でできてる紙の作品を見てこれを写真でできないものかと考える。白いバックグラウンドに白い紙でできたものを光だけを使って浮かび上げさせ撮りプラチナプリントなどでプリントする。半透明のベルム紙なんかにプリントしたらとてもきれいになるのではとアイデアを巡らせる。でも何を撮ろう?
それからYale Center for British Artに寄る。美術館やギャラリーなどに来るといろいろ内装の細かい所に眼がいく。素材の使い方や実際の作業の過程などを考えて内装を見るのはとても楽しい。僕はこのようにして僕のスタジオの改築でも使えそうなアイデアをいつも探している。
絵画が中心の美術館であった。中でも面白いと思ったのは肖像画のスケッチが薄いブルーの紙にしてあった。ちょっと色の付いた鉛筆でとても描写的なスケッチがされていた。スケッチ自体はなんということもなかったのだがそれを見た時にAIPADで見た黒い紙の上に白だけでプリントされていたガムプリントの作品を思い出す。このアイデアも面白い。
もう少し時間があればとも思うがいろいろアイデアを巡らせることのできた美術館巡りであった。








