フィラデルフィア写真紀行

写真センターの運営や作家活動から、アメリカの写真事情や文化の違いまで…

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Project Basho撮影旅行と夏のワークショップ

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やっとの事で今年の撮影旅行の予定を発表した。

7月には南フランスのLe Bez、そして目玉のAndrea Modicaが同行する金沢/能登の旅行は9月に去年と同じ日程で。そして10月にはアメリカ南西部のFour Cornersの砂漠を回る旅行を企画している。

僕が実際に担当する旅行は日本の物で、残りはスタジオでカーボンなどを教えているKevinが担当することになっている。そもそもこの旅行の計画もKevinが持ちかけて来た話しで、それに合わせ金沢の旅行の下見などをし始めた。今年の5月に計画していた九州の旅行は来年に持ち越す事にして,最終的には去年と同じ物だけで組んだ。時間的に余裕がなかったのとアメリカの経済の状況を考えた結果である。九州の旅行はもう少し詰めて来年の5月に組みたいと考えている。もう少し写真をやっている人達の間でこの旅行の事をが広まるのを待ちたい。

その作業が終わり次第夏のクラスのスケジュールに取り組む。Kevinと一緒に教える人の予定やスタジオでのイベントなどをうまく調整していく。全てを手作業でやる為、毎回の事であるが時間のかかる作業である。教える人が増える一方で、調整する事が増えていく。この辺りをもう少しうまくクリアーできる様にしたい物だ。

今回はNYで会った人を二人位誘ってワークショップを組んでいる。一人はEugene ForsterでICPで教えている人だ。インディアナにいるかナカガワさんと通して知る様になった一人である。ICPのデジタルのクラスをかなり最初から作り上げて来た人で、数ヶ月前にたまたまICPでクラスをとっていた時に偶然顔を会わす。もちろんデジタルの事は詳しいのと,自分の作品に写真とテキストを組み合わす事をしているので,それを教えられないかという話しで,二つのワークショップを組んでみる。Lightroomの使い方をカバーするものと、生徒の写真と文字を実際に組み合わせて新しい表現の可能性を探るという物である。

二人目はVincent Cianni。彼とは5年位前にスタジオを訪ねたのがきっかけで知る様になった。毎年AIPADで顔を会わす様な感じで,今年もバッタリと会場で出くわす。前からうちでワークショップをやりたいと言ってたので,今回は絶対実現しようと,その後2週間位お互いにアイデアを交わす。彼の作品は力強いドキュメンタリーの写真でストーリー性を主にしている。ドキュメンタリーのワークショップもいいかと考えたが,最終的には写真や文章を使い、いかにストーリーを伝えるかというワークショップを行う事にした。実際にPower Pointなどを使い発表するというのを目的に行う楽しいワークショップになりそうだ。

そして来月来ることになっている久保さんのワークショップの詳細も載せる。前回少しではあったが久保さんが教えるという企画を念頭にスタジオに来る人との接点を作ってみた。久保さんが今までやって来たプリンターとしての目みたいな物をシェアーできる様なワークショップを行いたいと思っていたので,今回試しに行ってみることにした。人が興味を持ってくれるとうれしい。

スケジュールが組まれたので後はマーケティングである。旅行のDMを作ったりクラスのリストを小冊子の印刷物にしてマーケティングの中心にしてみようと思う。今まではウェッブだけの物が中心であったが,今回からは「手に持てる物を作る」という事を考え始めた。今学期は景気が悪いにも関わらずいい感じで生徒が集まったので、なんとかこの調子でいって欲しい物である。

歴史と歴史との関係

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金沢で久保さんに勧められていた、杉本博史のショーを21世紀美術館でみる。タイトルは”History of History”と作家一人で行うには少し大げさな感じがあるが、このショーはNYのJapan Societyで見た事があり、一つ気に入った作品を覚えているのでまた訪れる。

さすがにNYでの展示スペースの限界のためあまりまとまりがなかった事を記憶していたが、21世紀美術館で行われているショーはスペースの使い方がとても有効で完成度の高いもになっている。このショーは写真展ではなく彼の写真作品と自分の古美術のコレクションを交えたとても面白いショーだ。中には自分の写真を古美術に実際に混ぜて見せている物もある。

インタビューなどを見るとどのようなアイデア基にして作品を作っているなどと分かり彼の作品を理解するにはかかせない物だと思った。前々から思っていたが彼の作品を見ていると「時間」を意識せざるえない。それも一瞬の時間から数千年もしくはもっと長い時間を含めて。そしてそれらが「歴史」というアイデアを構成しているのであろう。「歴史」という事をレファレンスにする為ある意味「普遍性」みたいな物をかもしている。

その後に国際交流サロンの永江さんの所に寄ってみるとシムさんと山口君という若い工芸作家に出会う。彼らは金沢市がプログラムとして行っている卯辰山工芸工房という所で自分たちの作品を作っている。ここでは30人ほどの人達が全国から選ばれて、スタイペンド(給料)をもらいながら作品を作る機会を与えられる唯一のレジデンシーだそうだ。若くして作品を作っているという事もあり話が弾み、時間がないながらも次の日にに向かう前にスタジオを訪れる事にする。

卯辰山は海抜が140mとそんなに高い山ではないが金沢の比較的平らな場所にある為、頂上からは金沢が全てが一望できる。僕もちょうどどの地点から金沢を全て撮ることができるのかと考えていた所にこんな機会に出会わした。あいにくの雨だが工房から見える景色はなかなかの物である。ここでは陶芸、繊維、ガラス、メタル、漆器の5項目だけを制作しているスタジオである。シムさんは漆器そして山口君はガラスのを使いそれぞれ作品を作っている。アメリカでいうCraftと呼ばれているアートである。

前の日話している時にアメリカではFine ArtとCraftの地位の差というのが明確に現れている事を話す。一概に言えないが、Fine Artというのはとても洗練されていているが、craftとなると手作り感みたいな意味合いが含まれてきて評価が下がる。もちろん家具を作る作家や陶芸の人でもとても評価の高い人がいるが、やはり取引されている値段そして話題性という点から見ても、Fine Artとの「差別」みたいな物は薄々と感じる。

工芸では長い「歴史」や「伝統」という物が逆に作用して一種の束縛感みたいな物になっているような感じがする。杉本博史が歴史を利用する事によって作り上げている「普遍性」のようなものはどこに行ってしまうのだろうか?歴史との関係をうまく利用するか、それともそれによって縛られるのかは作家次第なのだろうか?今にも雪が降りそうな曇りの金沢を発つ電車の中でそんな問いが頭を巡った。

朝昼は撮影、夜は温泉とマッサージa

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金沢ではフィラデルフィアでのショーの準備で朝までスカイプで話す。おかげで時差ぼけも直らず一日5時間近くコンピューターの前で時間を過ごした。さすがに写真なんか撮る余裕も無い。

輪島についてからは一転朝5時に起きて町の中を周り写真を撮り始める。一日で20枚近く撮影する。朝に2時間ぐらい散歩をしながら港の周りにある漁師の住んでいる地区で撮影をした。そして日中は皆と車で行動する。海岸線を西に南に走り田園風景や小さな漁村の様子などを撮る。

行く所行く所静かさに驚くが、田舎は良いなとつくづく思う。次回にもう少し長期滞在する為の方法を探ってみたい。

Written by tsuyoshi

9月 12th, 2008 at 3:32 pm

Posted in 日本訪問

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